マントル(Mantle)

~Ethereum系のモジュラー型L2~
Ethereum 上の EVM 互換レイヤー2、Mantle Network を支える基盤トークン

通貨単位:MNT
運用開始:2023年7月17日
開発者:Mantle Core Team
公式サイト:https://www.mantle.xyz/ja
ホワイトペーパー:https://docs.mantle.xyz/network
ソースコード:https://github.com/mantlenetworkio
開発言語:Go、Solidity、Elixirなど




マントルとは?

概要

マントルは、Ethereum 上に構築された EVM 互換のレイヤー2であり、その中核トークンが MNT である。
名称としての「Mantle」は、トークン単体というより、Mantle Network を中心としたエコシステム全体を指すことが多い。
そのため、銘柄解説としてマントルを理解するには、MNT だけを見るのではなく、それがどのネットワークの中で何を担うかまで押さえる必要がある。
公式資料では現在の Mantle Network を、実行層・データ可用性・証明生成・決済を分離した ZK Validity Rollup と説明しており、Ethereum のツールやコントラクトを大きく変えずに持ち込みやすい設計を採っている。
MNT はその中で、ガス、ガバナンス、ステーキングを支える基盤トークンとして扱われる。

一言でまとめるなら、マントルは「Ethereum の安全性を活かしながら、より軽く、安く、扱いやすい環境を作るためのネットワークと、その運用を支えるトークン」である。
単なる売買対象としてではなく、ネットワークを動かす実用品に近い性格を持つ点が重要である。

開発背景

Mantle が生まれた背景には、Ethereum 本体だけでは処理コストや拡張性に限界があり、より多くの dApps やユーザーを受け入れるには、実行を外側に逃がしつつ安全性を維持する仕組みが必要だったことがある。
Mantle はその課題に対して、Ethereum の上に乗る L2 として設計され、しかも単なる企業主導ではなく、DAO 起点で進められた点に特徴がある。
公式ページでも、Mantle Network は「DAO によって開始された最初の Ethereum L2」と説明されている

さらに Mantle は、もともとの BitDAO エコシステムから発展してきた。
2023年にはブランドとトークンの整理が進められ、$BIT は $MNT へ移行した。
ここで重要なのは、単に名前を変えたのではなく、ガバナンス中心だった BIT よりも、ネットワーク利用や各種プロダクトとの接続まで含めた、より広い役割を持つトークンへ再設計された点である。
つまり Mantle は、L2 を作る話とトークンの用途拡張の話が一体化して進んだプロジェクトだと言える。

仕組み

現在の Mantle Network の仕組みを大づかみに言えば、ユーザーが送った取引をまず L2 側で処理し、その結果と必要なデータを Ethereum 側へ橋渡しし、最後に証明で正しさを確定させる構造である。
公式ドキュメントでは、利用者の署名済みトランザクションは RPC ノード経由でシーケンサーに送られ、シーケンサーが順序を決めてロールアップのブロックを作る。
その後、op-batcher がデータを圧縮して Ethereum の blob に投稿し、別系統の証明システムがその状態遷移が正しいことを ZK validity proof として Ethereum に提出する、と説明されている。
検証が通れば、チャレンジ期間を待たずに確定できる設計である。

Mantle の大きな特徴は、この処理を一枚岩でやらず、役割ごとに分けていることにある。
実行は Mantle 側、決済と最終的な安全性は Ethereum 側、データ可用性は blob や外部 DA の仕組みを活用する、という分業である。
こうすることで、全部を1本のチェーンで背負う設計よりも、性能やコストの最適化がしやすくなる。
Mantle 自身もこれを modular architecture と呼んでいる。

MNT トークンの役割も、この仕組みと密接に結びついている。
Mantle v2 Tectonic では、MNT は L2 上のネイティブ資産として扱われるようになり、従来の ERC-20 的な回り道ではなく、より Ethereum のネイティブ資産に近い流れで動くようになった。
手数料面では、Mantle のトランザクション費用は大きく L2 実行手数料と L1 ロールアップ手数料に分かれ、EIP-1559 型の仕組みに対応している。
つまり MNT は、単に投票に使うだけでなく、ネットワークの優先処理や送金体験にも深く入り込んでいる。

特徴

・特徴1

マントルの特徴をほかの銘柄と比べるとき、最初に見るべきなのは「トークン単体で完結していない」点である。
MNT はガバナンストークンであると同時に、Mantle Network 上ではガスや優先度制御にも関与するネイティブ資産として設計されている。
つまり、用途の中心が“保有”ではなく“ネットワーク内で実際に使われること”に寄っている。
この構造は、単なるコミュニティ投票用トークンより、基盤通貨に近い。

次に、Mantle は Ethereum と競争する L1 ではなく、Ethereum を土台にして性能を引き上げる L2 である。
そのため、ビットコインのように独自の基盤層そのものを築く思想とも、Solana のように高速 L1 を自前で完結させる思想とも違う。
Mantle は Ethereum のセキュリティや開発資産を活かしつつ、実行・データ可用性・証明生成・決済を分離することで改善を狙う。
ここが、いわゆる monolithic chain との設計思想上の差である。

さらに、Mantle は「一度決めた方式を固定する」より、「よりよい構成へ段階的に進化させる」色が強い。
2024年の v2 Tectonic では OP Stack Bedrock ベースへの整理、EIP-1559 対応、2秒ごとの予測しやすいブロック生成、MNT のネイティブ化が進んだ。
2025年には OP Succinct を通じた ZK Validity Rollup への移行が進み、2026年1月には Ethereum blobs を主要 DA 層として使う方針が打ち出された。
つまり Mantle の特徴は、単に「安いL2」ではなく、Ethereum の進化に合わせて自分の構造も更新していく技術志向の強さにある。

加えて、DAO 起点で立ち上がった点も他の銘柄との違いとして無視できない。
Mantle は初期から BitDAO と深く結びつき、予算、エコファンド、各種プロダクト戦略がガバナンス文脈の中で組まれてきた。
これは、単独チェーンの開発ではなく、ネットワーク、資金基盤、エコシステム育成をまとめて設計してきたことを意味する。
初心者目線では少し複雑に見えるが、この複雑さこそが Mantle の実態であり、Mantle を「ただの1銘柄」とみなすと本質を外しやすい。

現実事例

Mantle の現実事例は、単なる送金先としてよりも、実際に動く dApp 群の受け皿として見るとわかりやすい。
公式 dApp ディレクトリには、2026年4月時点で 242 件のプロジェクトが掲載されており、ゲームでは MetaCene や Catizen、金融では INIT Capital や Merchant Moe、BTC 活用では FBTC、分析基盤では Arkham などが並ぶ。
つまり Mantle は、理論だけのチェーンではなく、ゲーム、DEX、レンディング、BTC 活用、インフラ系まで複数分野の受け皿として機能している。

より具体的な事例として、公式記事では Ondo Finance の USDY と連動する mUSD、Mantle 系の mETH、MYSO Finance での利用などが紹介されている。
ここからわかるのは、Mantle が単なる「安い決済チェーン」を目指しているのではなく、現実資産のトークン化、流動的なステーキング資産、レンディングやスワップをまとめて回す金融レイヤーを志向していることだ。

2025年の公式記事では、Mantle Network に 250 以上の dApps・プロジェクトが統合され、約50万人の利用者と 1.71億件のトランザクション実績があるとされている。
数字そのもの以上に重要なのは、Mantle が「実験段階の銘柄」ではなく、実利用を伴う L2 として自らを説明している点である。

歴史

Mantle の歴史は、単なるトークン発行の履歴ではなく、「BitDAO 起点の構想」から「Mantle ブランドと MNT への再編」、そして「モジュラー型 L2 の実装」へ進み、
さらに「ZK Validity Rollup と Ethereum blobs へ向かう進化」の連続として見るべきである。
最初は BitDAO チェーン構想として始まり、2023年にテストネットとブランド再編が進み、同年7月に Mainnet Alpha が立ち上がった。
その後 2024年の v2 Tectonic で基盤整理が進み、2025年には OP Succinct による ZK 化の方向性が明確になり、2026年には Ethereum blobs を主要 DA とする方針が示された。
Mantle は、完成済みの固定物というより、Ethereum に沿って構造を更新し続けるタイプのプロジェクトである。

以下年表

参考文献

以下は今回記事にするにあたって参考にした資料である。

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