通貨単位:MONA
運用開始:2014年1月1日
開発者:Mr. Watanabe
公式サイト:monacoin.org
ホワイトペーパー:
ソースコード:github.com/monacoinproject/monacoin
開発言語:C++、Python、Shell、Makefile
モナコインとは?
概要
「日本初の暗号通貨」という肩書きを自称しており、ウェブサイトでも “The first Japanese Cryptocurrency” と記されている。
発行上限は105,120,000 MONAが定められており(約1億512万枚)、2013~2014年にかけて、事前に発掘(プリマイン)なしで開始された点も明らかになっている。
したがって、モナコインは「日本のネット文化に根ざした分散型暗号通貨」としての概要を持つ。
開発背景
モナコインが開発された背景には、いくつか特徴的な要素がある。
まず、発端としては、日本のインターネット掲示板文化、特に 2ちゃんねる(現在は 5ちゃんねる)発祥のアスキーアート「モナー」がモチーフとして用いられている点が挙げられる。
ウィキペディアには「2ちゃんねるのソフトウェア板で、Mr. Watanabe(わたなべ)によって開発された」と記載されている。
このように、モナコインは、ビットコインやライトコインのような世界的な暗号通貨とは少し異なり、「日本のネットカルチャー」「コミュニティから育つ通貨」という位置付けが強い。
たとえば、ウェブサイトにも「ユーザーによる様々なサービスの開発や、神社の建立、語呂合わせの投げ銭等、他のコインではあまり見られない使われ方が定着するなど、コミュニティ主体で発展を続けている暗号通貨です」と記されている。
また、技術的には、暗号通貨のマイニング競争・専用ハードウェア(ASIC)の登場による「大手マイナーに有利になる構図」への対抗という意図も見られ、
モナコインではASIC耐性を持たせるためのハッシュ・アルゴリズムの変更が行われている。
さらに、使用開始当初からプリマイン(開発側が事前に多くのコインを確保しておく仕組み)は存在せず、
開発者自身も特別な優遇なしにユーザーと同じ条件でコインを入手できる設計となっている。
要するに、モナコインは「日本のネット文化発」「コミュニティ重視」「分散・フェアマイニング重視」の暗号通貨として生まれた背景を持つ。
仕組み
基本的には暗号通貨の中でも典型的な「プルーフ・オブ・ワーク(Proof-of-Work、略してPoW)」を採用したものである。
マイニング(採掘)という、コンピュータで特定の計算を行ってブロックを生成・取引を確認する作業を通じて、新たなコインが発行される仕組みになっている。
モナコイン公式サイトでは「マイニングと呼ばれる特定の計算を繰り返すプログラムをユーザーが実行することにより、コインが発行されます」と明記されている。
技術的なポイントとして挙げられるのは以下の通りである。
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ハッシュ・アルゴリズム
現在は Lyra2RE(v2) を採用しており、これは従来の scrypt から移行されたもの。公式サイトに「Algorithm: Lyra2RE(v2)」と記載されている。
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ブロック生成時間(ブロックタイム)
約 1.5分(90秒) であり、ビットコインの10分などと比べると速め。公式サイトに「Block time: 1.5 minutes」とある。
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難易度調整方式
「Difficulty re-target: every block (Dark Gravity Wave v3)」という記述があり、ブロックごとに難易度を再調整する方式を採っている。
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発行上限
105,120,000 MONA(先述)。
加えて、マイニング報酬(ブロック報酬)はおおよそ3年(約1,051,000ブロック)毎に半減する仕組みとなっている。
公式サイトに「Subsidy halves every 1051k blocks (~3 years)」と記されている。 -
プリマイン無し
公開時点で開発者側がコインを持っておらず、特定の優遇条件がなかったことが明記されている。
このような仕組みにより、モナコインは「比較的速い取引処理」「誰でもマイニング参加可能(GPU/CPUでの参加)」「中央管理者なしの分散型ネットワーク」という方向性を持っている。
なお、開発言語としての細かな記載は明記されていないが、GitHub上のリポジトリでの言語割合を見ると、
C++ が約 65.5 %、Python が16.4 %、C が12.3 %とされており、ソフトウェア開発にC++主体であることが確認できる。
また、開発者としては匿名の「Mr. Watanabe」と称する人物が立ち上げたとされており、明確な実名・法人は公開されていない。
特徴
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コミュニティ寄り・日本発の文化的側面
モナコインは、「ネット掲示板発」「アスキーアート発祥」の文化に根ざした暗号通貨である。
名前の由来は、2ちゃんねるで人気だった「モナー」というアスキーアートキャラクターであり、かつ通貨単位「MONA」としてそのまま使われている。このことが、単なる技術的な通貨以上に「日本国内のネット文化/オタク文化/サブカルチャー」の中で“愛される”存在となる背景になっている。
実際、モナコインは国内の小売店での決済導入や「モナコイン神社」の建立など、他の暗号通貨ではあまり見られない実践がなされてきた。つまり「ただ価格が上がる/下がる対象」というよりは、「ファンが集まる/遊び・文化・投げ銭に使える」通貨という側面が強い。
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速い取引・マイニング参加の敷居が比較的低い
先述したようにブロック生成時間が1.5分と短く、取引承認の速さという点で特徴的である。
ビットコインの10分程度に比べるとずっと速いため、日常的な支払い・少額決済にも向いている可能性があるとされてきた。また、マイニングのアルゴリズムがLyra2RE(v2)となっており、ASIC(専用ハード)だけでなく、比較的普通のGPUやCPUでも参加可能という意図がある。
これは、マイニングの中央集権化を防ぐ意図として理解されている。 -
プリマインなし・フェアスタート
モナコインでは、開発者が事前に大量コインを確保していた(プリマイン)わけではなく、誰でも同じ条件で参加できる形が掲げられている。公式サイトでも「not premined」と明記されている。
この点は、暗号通貨を始める際の“公平性”を重視する利用者から一定の支持を受けてきた。
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日本国内での利用・決済導入例
モナコインは、国内店舗やECサイトにおいて決済手段として採用された例がある。
例えば、秋葉原のパソコンショップがビットコインと同時にモナコインの実店舗決済を受け入れたという記録がある。また、オンラインでは投げ銭用途(例えばブログ・掲示板で「モナを投げる」)などに使われることが、通常の暗号通貨の使い方とは少し異なる“カルチャー”として定着してきた。
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ネット文化との親和性・ミーム要素
モナコインは、単に技術・決済という文脈だけでなく、ミーム(ネット上で流行るネタ)としての側面も持っている。
例えば、アスキーアート「モナー」がロゴ/名称のモチーフとなっていたり、ユーザーが遊び心を持って「語呂合わせの投げ銭」などを使ったりしてきた。公式サイトでもこの点を強調している。
現実事例
モナコインの実践的な利用・話題になった事例を紹介する。
例えば、ウィキペディアの“特徴”欄には次のような事例が挙げられている。
- 長野県山中の土地がモナコインで売買され、その土地に有志が神社を建立したという事例。(getnews.jp/archives/539145より引用)
- オンラインおよび店舗でモナコインを決済手段として採用した店舗が存在する。例えば、2017年6月に秋葉原のパソコンショップがモナコイン決済を導入。
- トークン発行システム「Monaparty」や、NFT取引所「チョコモナカ」など、コミュニティが主体となって新しいサービスを開発している。
これらの事例から、モナコインは単なる理論上の通貨ではなく、リアルな“使われ方”を持っており、特に日本国内におけるユーザー主導の文化・活動と結びついていることが分かる。
歴史
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2013年
日本のネット掲示板「2ちゃんねる」コミュニティでモナコイン構想が誕生。
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2014年
正式にリリースされ、日本初の暗号通貨として稼働開始。
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2015年
ハードフォークでアルゴリズムをLyra2RE(v2)に変更しASIC耐性を強化。
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2016年
安定運用期に入り、国内で小規模な利用・投げ銭文化が広がる。
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2017年
SegWitを世界最速級で実装、技術面で注目を浴びる。
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2018年
マイニング攻撃(再編成攻撃)を受け、チェックポイント機能導入で防御強化。
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2019年
Coincheckなど大手取引所で取り扱い開始、流通環境が拡大。
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2020年
マイニング報酬の半減期到来、投げ銭サービス終了など文化再編が進む。
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2021年
取扱所拡大や利用促進が進むが、大型アップデートはなし。
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2022年
技術的更新が停滞し、コミュニティ活動も縮小傾向に。
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2023年
一部取引所で取扱停止、維持フェーズに入る。
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2024年
国内環境が縮小、文化的象徴としての位置づけが強まる。
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2025年
GMOコインなどが取扱終了、技術更新停止も、ネット文化遺産として再評価される。